御蔵島の森で、野生化したネコによる食害によりオオミズナギドリが危機
また、御蔵島はオオミズナギドリの世界最大の営巣地でもあります。そんな貴重な場所が、私達の時代に無くなってしまうかもしれないのです。
御蔵島の生態系を守るため、みんなで一緒に考えてみませんか?
野生のイルカと一緒に泳ぐ事ができる事で注目を浴びている御蔵島。
島の大半は深い森に覆われて巨樹の島としても知られており、その森にはオオミズナギドリが生息。オオミズナギドリの世界最大の繁殖地とも言われ、1980年の島内生息数は175~ 350万羽(世界中の約7~8割)と推定されていました。
しかしそのオオミズナギドリの生息数は、2016年には11万羽に激減。
現在も、年2万羽のペースで現象を続けていると考えられています。
主な原因は、人から逃げて野生化し繁殖したネコによる食害です。
ネコは1歳未満で繁殖し始め、年1~2回繁殖し、1回5~6頭を産みます。一方、オオミズナギドリは7歳ほどで初繁殖し、卵を産むのは年1回1卵のみ。このまま野生化ネコが増え続ければ、御蔵島のオオミズナギドリは全滅してしまうかもしれません。
また、野生化ネコは固有種であるミクラミヤマクワガタを捕食している事も分かっています。
オオミズナギドリは、3~11月の間日本へやってくる渡り鳥。日中は海上で生活し餌を捕り、夜は森の巣穴で子育てをします。
またこの鳥は風を利用して飛翔するため地表から飛び立つことが困難で、坂や高木を利用して飛び立つことでも知られています。即飛ぶことが難しいために他の哺乳類からの攻撃を受けやすく、従来哺乳類の生息しなかった御蔵島を営巣地として選んだのではないかと考えられています。
【御蔵島ネコ里親事業について】
御蔵島では2005~2014年の10年間に御蔵島で約400頭が捕獲されて不妊去勢され、 ほとんど全てがやむなく島で放獣されてきました。それでもまだまだノネコの繁殖数には追い付かず、さらにもう1つの対策として2015年に立ち上げられたのが、御蔵島ノネコ里親プロジェクトです。これは御蔵島で野生化ネコを島外に持ち出し、少しでもネコの数を減らすことでオオミズナギドリを守ろうという試みです。
その活動を知り、私達自身でもできることをやってきたいと感じた私達は、2016年11月に「御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会」を立ち上げました。2017年1月にはウェブサイトを立ち上げ、最初の活動としてチャリティスイム(下記写真)を開催。2017年8月からは野生化ネコの捕獲施行および里親探しをスタートさせ、現在も活動を続けています。
私達有志の会の思いは、「御蔵島を愛する人、イルカを愛する人、そして自然と生き物を愛するすべての人たちと一緒に、できることを少しずつ見つけ、実践していきたい」ということ。
一緒に、「できること」を考えてみませんか?
①周りの人に伝える
守ることは、知ることから。オオミズナギドリのこと、森ネコのことを、ぜひご家族やご友人にお伝えください。お話いただいたりSNSでシェアしたりする他、有志の会では活動のご案内チラシをご用意していますのでぜひご活用ください。チラシデータはダウンロードも可能です。
御蔵島の森ネコの里親を探す活動に、ぜひご協力下さい。①でご紹介した方法の他、一時預かり親や飼い主候補もぜひご検討ください。
御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会、東京都獣医師会の基幹動物病院、山階鳥類研究所などの各ウェブサイトで情報をご覧いただくことができます。
③プロジェクトに寄付する
御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会では、皆様からのご寄付を受け付けています。
2020年からは、御蔵島ツアーにご参加の方を対象にナイトウォッチングツアーの開催およびご寄付受付をスタートしましたので、ぜひご参加・ご協力いただければ幸いです。
チャリティグッズの販売も行っていますので、メンバーまでお声がけください。
◆御蔵島・オオミズナギドリ関連
【御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会】
御蔵島のオオミズナギドリに関する情報発信や、ネコ里親事業への協力を行なっています。Facebookからは、最新の情報をご覧いただけます。
【Mikurensis 御蔵島の科学(御蔵島観光協会)】
島で行われた調査や研究発表のプラットフォームとして、御蔵島観光協会が発行している冊子です。
ウェブサイトでも、PDFにてご覧いただく事ができます。
【Yahoo!ニュース・島の生態系を守れ―捕獲活動に奮闘する人たち】
Yahoo!ニュースにて活動をご紹介いただきました。
◆ペット防災関連
【犬と猫と人間と人間と2 "わたしとあなたにできること”】
2017年のチャリティスイムでオオミズナギドリの話と共にお伝えさせていただいた、ペット防災に関する情報ページです。